
こんにちは。スポーツメンタルコーチの江口康博です。
みなさんにはどんな「習慣」がありますか?
日々の生活、競技のトレーニングに取り組むなかで。誰でも「習慣」があると思います。
辞書で引くと「習慣」とは、「ある行動や思考のパターンを繰り返すうちに無意識に行うようになったこと。」です。
実はこの「習慣」、良い習慣を持っていると人間の心や身体に、とても大きなメリットがありますが、悪い習慣があると反対に大きなデメリットになってしまいます。
これがおそろしいことに、悪い習慣を持っている場合、ほとんどの方が”気付かずに悪い習慣を続けてしまう”ということです。
人は良いものも悪いものも”慣れ”てしまうのです。
じゃあ、悪い習慣を無くしたいときはどうすれば良いのか?
自身で意識して習慣に気付いて、変えていくことができます。
今回のコラムでは,、習慣のメカニズムや意識の変え方についてメンタル面、フィジカル面でお話ししていきます。
脳は“省エネモード”で動いている
人の思考や行動のほとんどを「習慣(無意識)」で行っています。
私たち人間の脳は、なるべくエネルギーを使わずに行動できるようにできています。
なぜなら、脳はエネルギーを多く消費する器官で身体全体の約20%のエネルギーを使うとされています。そして、生命維持の中枢という機能を持つため、最も重要な器官の一つであるため、脳の疲弊やダメージは人体の危機に直結します。
人が日常を送る中で1日に平均で3万〜3万5千回ほど判断、決断していると言われています。その判断や思考、行動のタスクを手動でこなしていくと脳が疲れてしまうので、できるだけ脳の負担を減らすために“自動化”しています。これが習慣形成の根本的な仕組みです。
そして、どうすれば習慣化するのかというと、
同じ行動を繰り返すと、その回路が強化され、考えなくても自然とできるようになります。
これが「習慣」です。
ですから、脳はほぼ無意識で動いています。
自分で自覚して行う思考や行動をする「意識脳」、意識していなくても脳が自動で処理する「無意識脳」があり、それぞれの行動の支配率は意識脳が2~4%に対して、無意識脳は96~98%とされています。
(呼吸をする、姿勢を直す、いつもの道を歩く、ときなど無意識脳で動いています)
アスリートの意識や行動を変えるには、この無意識にどうやって落とし込むことができるかがスポーツメンタルコーチングでは重要になってきます。
この習慣の問題は、良い習慣も悪い習慣も区別なく定着してしまうということ。
たとえば「疲れていても無理して練習する」「うまくいかない自分を責める」など、そんな行動を毎日続けていると、脳はそれを“普通”だと認識します。
やがて、違和感を覚えなくなり、心も身体もその悪い状態を基準として働くようになります。
つまり、悪い習慣ほど“無意識のうちに強化されていきます。
悪い状態が習慣化されてしまう怖さ
最初は「今日はちょっと調子が悪いな」と感じていたことが、いつの間にか“当たり前”になっている、なんてことありませんか?
疲れが抜けないのも、気持ちが沈むのも、習慣になり、「そんなものだ」と受け入れてしまいます。
そうしているうちに、本来の自分の感覚を忘れていきます。
本当はもっと軽やかに動けるはずなのに、本当はもっと前向きに考えられるはずなのに、それを思い出せなくなっていく・・・。
悪い習慣の本当の怖さは、心身の不調そのものよりも、“気付く力”を奪っていくことにあります。
「こんなものだろう」と感じた瞬間、成長は止まってしまうのです。
メンタル面の良くない習慣では、「どうせ自分はできない」「完璧ではないといけない」「自分はダメだと責める」と考えてしまうことがあります。
これをスポーツメンタルコーチングでは「思い込み」と呼んでいて、競技をする上で、成長のブレーキとなっていることが多く、コーチングするなかで解除していきます。
先日、多くのアスリートを施術している接骨院の先生からこんな話を聞きました。
「怪我が多かったり、パフォーマンスが上がらないアスリートは、身体が悪い状態でも無理して続けるから、悪い状態が”当たり前”になってしまっています。一度、施術で身体を良い状態に矯正しても、本人は”違和感”を感じてしまうだけなんですよね」
悪い状態で練習や大会に出るから、トレーニング効率が悪く、大会でも結果が出しにくい状態になり、怪我にもつながります。
また、悪い状態でもある程度動けるから、本人も「これでいいんだ」と通常の状態と思い込んでしまい、今の状態が本当に良いのかどうかといった疑問を持たなくなり、改善する意識がなくなってしまうということです。
心も身体も悪い状態のままが”普通”になってしまうことは本当に怖いことなんです。
疑い、気づき、上書き、を繰り返す
ではどうやって悪い習慣から抜け出せば良いのか。
自身が自然に思っている、行動することを疑ってみることです。
「いつも怒ってしまうけど、なんで怒っているのかな」
「この練習をしないと強くなれないと思うけど、本当にそうなのかな?」
「この走り方である程度速いけど、もっと自分に合ったフォームはあるかな?」
こういった「疑う」ことで常に自身をアップデートしていけます。
(疑いすぎると哲学にハマってしまいますので注意してください)
悪い習慣は「壊す」のではなく、「上書きする」とイメージと考えてください。
まずは、自分の中にある“悪い普通”に気づくこと。
疲れても我慢していないか。ネガティブな言葉を自分に投げていないか。
小さな気づきが第一歩です。
自分の心や身体と対話して、声を聞いてあげていますか?
意識して身体を動かしたり、変えていっていますか?
次に、その瞬間の選択を変えてみましょう。
「力んでいる」と思ったら、原因を探る。
「不安だ」と感じたら、「その不安の正体はなにか」と自問自答しまくってみる。
この“小さな上書き”が新しい思考回路をつくります。
良い習慣を入れて繰り返していくと、脳は繰り返しに反応し、少しずつ“新しい普通”を覚えていきます。
疑い、気づき、選び直し、積み重ねる。
そのシンプルなプロセスが、心と身体の両方を変えていきます。
良い習慣である「あいさつ」と「感謝」について、それぞれコラムを書いていますのでご参照ください。
どちらも日常生活に簡単に取り入れて効果があると思います。
<コラム>
トップアスリートが使っている「感謝の力」とは?!
ほとんどのアスリートが知らない?「あいさつ」の習慣化による効果について
まとめ
悪い習慣に気づかず続けることは、メンタル面、フィジカル面でも自分でブレーキを踏みながら走るようなものです。
コーチングを受けたアスリートも、ほんの少し意識が変えるだけで、心も身体も驚くほど軽くなり、結果が出るようになります。
当たり前の日常の延長に進化はありません。
「これが自分の普通でいいのか?」
そう問いかけることが、新しい成長の始まりです。
こういうと、常に自身の考えや行動を気にして、疑ってしまう方がいますが、いずれ疲れてしまいます。
個人的な好きなイメージは「実験」です。
「こういう動き方をすればどうなるかな?」
「つらいと思ったけど、一回こんな風に考えてみようかな」
楽しんで自分の身体で人体実験をしてみてはいかがでしょうか?
きっと意外な発見や発明が生まれると思いますよ!
最後までお読みいただきありがとうございました。
◆体験コーチングについて
メンタル面の改善については、自身でできるときとできないときがあります。
スポーツメンタルコーチングでは、本人すら気づいていない心のブレーキ(思い込み)も特定して、解除できるようサポートをしています。1人で悩んでいる方はご相談ください。
