
こんにちは。スポーツメンタルコーチの江口康博です。
試合や大会のときに、負けることを考えて不安になったり、試合展開が思い通りにいかなくてイライラして怒ってしまったり、ミスしたときに悲観して立ち直れなくなる、といったことはありますか?
多くのアスリートがその感情を押し殺したり、捨てようとしようとすると思いますが、一度頭に浮かんだことはなかなか消えない、一時は消せたとしても心の深くに残っていて、ふとしたときに思い出してしまうなんてこともありますよね。
もちろん本番に向けて感情のコントロールをすることはとても重要ですが、
その感情を無理やり排除する必要がない、としたらいかがでしょうか?
今回のコラムは、感情に振り回されてパフォーマンスが発揮できなくて悩んでいる方に向けて、感情との付き合い方をご紹介します。
マイナスな感情は否定せず、受け入れるもの
多くのアスリートは感情、特にマイナスの感情に対して闘います。
そのマイナスな感情を「実績のある自分が不安なわけがない」と押し殺すか見ないふりをする、「私は強靭なメンタルを持っている」と理想の自分像を強く思い込むなどします。
このように無理矢理に自分を塗り変えるようなことをしてしまいますが、多くの場合は完全に消えてなくなることはありません。
または、マイナスな感情から目を背けて、単調な練習やSNSなど簡単に楽しめるものに逃げることもあります。
どちらも根本的な解決にはならず、ずっと自分自身につきまとい、苦しめる結果となってしまいます。
もし、その感情を否定せずに受け止めることができたらいかがでしょうか?
どんなポジティブな人も不安や悲観などマイナスな感情を感じることがあります。
マイナスな感情を感じることは当たり前で、無理に抗ったり、逃げたりすることの方が不自然なのです。
すべて自分の一部です。受け止めてみましょう。
では、受け止めるにはどうすればいいか?
自分から出てきた感情に対して「なぜその感情が出てくるんだろう?」と自問自答するのです。
例えば、試合で不安を感じるなら「なぜ不安に思っているのか?」「何が不安なのか?」と自分に問いを重ねて、自分なりに答えを出していきます。
自分自身への問いを重ねていくと、感情の原因や正体がわかってきて、本当に自分が大切にしている考えや信条、もしくは課題に辿り着くと思います。
そうやっていくとマイナスな感情は、自分を苦しめるものではなく、自分の一部なんだと気付くはずです。
感情は自分から出すものであり、事実ではない
「辛い」「苦しい」などマイナスな感情が出てきたとき、それはあなたが事実をどう受け止めるかで変わってきます。
例えば、
あなたが負荷が高い筋トレを「つらい練習」と考えているとしましょう。
理由は、トレーニング中は本当に身体がキツく、終わった後もヘトヘトになるぐらい厳しい練習だからです。
「筋トレはつらい練習」と考えていると毎日練習に向かう足取りが重くなり、取り組む姿勢も良くないでしょう。
一方、他のチームメイトは「楽しい練習」と考えています。
その理由は、キツいトレーニングですが、毎日継続することで目に見えて筋力アップや成長が感じられるから、「楽しい」と考えて、積極的に工夫しながら取り組んでいけます。
同じ筋トレでも取り組み姿勢が違うことで、メンタルはもちろん、効果も違ってきます。
他の例では、失敗したときに「もうダメだ」と思う人は絶望してしまいますが、「失敗は学び」と思っている人は、失敗を糧に前に進んでいけますよね。
そうなんです。
事実は同じでも、人によって捉え方が違えば、全く別の感情になるのです。
あなたのなかでもその”物事の捉え方”を変えることができたらいかがでしょうか。
先ほどに例では、トレーニングを行う意味や、自身の成長に目を向ければ、違った捉え方ができるかもしれませんね。
是非、マイナスな感情が起きたときは、起こった事実に対して「自分はどう考えているのか?」という思考のプロセスを挟んでみてください。
いま自分ができることに集中すること
感情を受け止める、物事の捉え方を変えるなど感情のコントロールができるようになっても、調子が悪いときなど、多少の感情の浮き沈みがあるのは人間ですので当たり前です。
ただし、その感情の影響で行動がセーブされることは、何も進まなくなってしまうので、良くありません。
そんなときは、目標達成に向けて立てた行動計画など「今できること」「やるべきこと」に集中して行動していくのです。
(気を紛らわすための意味のない行動はNGです)
いきなり完璧にすべてを解決することは目指さず、毎日継続すると決めたことを少しずつ達成していきます。
そうすると、小さな達成感を積み重ねることで充実感を得て、ネガティブな感情を抜け出すことができます。
まとめ
感情への向き合い方を知ると、ある程度感情がコントロールできるようになります。
感情がコントロールできると、パフォーマンスの浮き沈みがなくなるばかりか、人間性が高まり、周囲の人との関係性の向上、チームワークの向上などにもつながっていきます。
最も大切なことは「自分を受け止めてあげること」です。
自分の一番の理解者は自分です。
どんな自分も受け入れて愛してあげましょう。
Official髭男dismの「らしさ」という歌のなかにこんな歌詞があります。
「喜び 悲しみ 不安 期待 絶望 絶頂 君と僕のものだよ全部」
「君=自分らしさ」に葛藤しつつも、自分の「らしさ」を認めて、受け入れながら、夢・目標を追いかけ続けていこうという歌詞です(※私個人の解釈です)
自分の感情、声などをしっかり受け止めて、前に進むことができたらいかがでしょうか。
スポーツメンタルコーチングでは、アスリートが自身のポジティブ、ネガティブな感情を受け入れて、自分について理解を深めていくこともサポートしています。本当に自分が大切にしていることがわかり、感情に振り回されることなく、全力で目標達成に向けて進んでいただいています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
