
こんにちは。スポーツメンタルコーチの江口康博です。
今回は、特にSNSや(一部の)メディアのアスリートのプレーへの批判や誹謗中傷についてです。
SNSは競技の人気拡大のための発信や、ファンとの交流、応援メッセージなどプラスの方向に使えば、アスリートにとって大きな力となり、観客や応援する人にとっても心温まるツールとなります。
一方で、近年はアスリートへの攻撃に使われることが多いのも事実です。
意見の範疇を超えたプレーへの批判、選手の人格否定、選手や周囲の人までに及ぶ誹謗中傷により、選手がメンタル面で傷つき、つらい想いをするなど大きな問題となっています。
国際オリンピック委員会(IOC)や国際サッカー連盟(FIFA)などスポーツ関連の組織も対策に乗り出している程です。
ただ、おそらく今後も、SNS上やメディアのネガティブな発言を完全に規制することは簡単ではないと思っています。
そうすると、アスリート自身が何らかの方法で自身をメンタルを守れるようにしなければなりません。
今回は、私なりに考えたアスリート自身ができる対策や捉え方についてお話ししたいと思います。
批判は「関心を持たれている」と考える
批判とは、関心の表れの一つです。
ある物事に関心を持っているからこそ、その物事の真偽や正誤を検討し、改善や発展を促すために、問題点や課題を指摘する行動が生まれます。
批判的なコメント、メディアの記事についてもあなたに関心があるから出てくるのです。
「関心」の意味は、「心にかけること。気がかり。特に、興味をもって、注意すること」です。
もし、プラスのコメントもマイナスのコメントもなければ、あなたに関心を持つ人が少ないということです。
少し無理やりですが、
「関心を持たれている」こと”だけ”受け取ってみましょう。
「わあ、こんなに私に関心持ってくれてありがとう」とだけ思うのです。
コメントの中身は気にしてはいけません。むしろ一切見なくていいです。
(アンチコメントのなかにはストレスや不満のはけ口として他者を攻撃する人もいます)
少し環境が違いますが、トップアスリートの捉え方もご参考まで。
本田圭佑選手はACミラン所属時代の話でこんなこと言っていました。
「ミランでは攻撃のタクトを期待されていて、それができないと(メディアやサポーターの)批判がすごい。それも育てられていると思うから嫌いじゃない」(意訳です)
本田選手のように、自身の捉え方一つで、どんなことでも受け取り方を少し変えることもできます。
批判コメントへの対策 ~3つの捉え方~
もし、批判コメントを見たり、聞いたりする場合にも3つの対策となる考え方があります。
①批判コメントは”考察が浅い”ということ
サッカー選手、そして名将として結果を出してきたファビオ・カペッロ(サッカー選手・監督)さんはこんな言葉を言っています。
「私は常に批判の中に身を置き、だが最後には結果によって周囲のすべてを黙らせてきた。今季も同じだ。私は私のやり方を貫いていく。」
よくスポーツの世界では結果を出せば、それまで散々批判してきたメディア(一部)もSNSも手のひらを反すように、好意的なコメントになることがよくあります。
ここで私が言いたいことは「結果がすべてだから結果を出せ」ということではありません。
結果で考えがコロコロ変わるということは、
そもそも真剣に考えられたものではなく、考察が浅い、ただの意見であることがほとんど
だということです。
自分のことを真剣に考えてくれている監督やコーチ、チームメイトに比べると、SNSのコメントなんて取るに足らない意見です。
そんなコメントを気にする価値があるでしょうか。
②批判を選別して考える
批判には建設的な意見と、破壊的な意見があります。
全部にいちいち反応せず、自分が受け取る価値がある意見だけ見て、あとはノイズと思って放っておきましょう。
自分が全部見てしまうとダメなら、誰かに見てもらって、建設的な意見だけ教えてもらう、というのも一つの方法ですね。
③批判に動じず、集中して努力を続けること。
プロ選手やトップアスリートは常に批判にさらされながら、プレーしています。
トップアスリートのみなさんはさまざまな表現で発言していますが、共通しているのは目の前のトレーニング、努力を続けて、目標に向かって進んでいくことが大切だと言っています。
長友佑都選手(サッカー・日本代表)
「叩かれたからと言って二度と立ち上がれなかったら、そこで終わり。」
新庄剛志選手(野球選手・監督)
「自分はプレーで批判を見返す」
イチロー選手(野球)
「(色んな人が色んなことを言ってくるので)自分を見失うな」
自分が今できることに集中して努力を続けていくことが、批判に左右されずに成長できる一つの方法です。
まとめ
SNS時代、メディアでも信ぴょう性を欠く媒体も出てきて、他人の批判をおもしろおかしく書くコメントや記事が多くなっています。
情報化社会では、自らが情報の真偽を確かめ、選別しなければならない世の中になっています。
そんななかでアスリートはプロはもちろん、そうでない人も、本人が情報発信することも、そして批判的なコメントがくる可能性のあるタレントのような存在に図らずともなってきています。
だからこそ、アスリートのみなさんには自分が何を目標にしているのか、何を信じるか、どんな声に耳を傾けるか、など、自分の考えをしっかりと持って、必要な情報を選別して、自分を見失わずに進んでいただきたいと考えています。
もし悩むことがあれば、周りで自分の目標達成を支えてくれる人に相談してください。
私たちスポーツメンタルコーチも、そんなアスリートを支えられる存在になれるよう活動しています。
今回のコラムが、批判や誹謗中傷に悩むアスリートの参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
