
こんにちは。スポーツメンタルコーチの江口康博です。
先日イベントで、とあるトップアスリートの方とお話する機会がありました。
個人的に大好きで応援している選手で、実際にお会いすると、若いのに堂々とされており、とても気さくで優しい方で益々ファンになりました(笑)。
本当にこれからが楽しみなアスリートです。
その選手は1年前からヨーロッパに拠点を移して活躍する若手のアスリートです。
国内外の複数の大会で結果を出し、有名メーカーのスポンサー契約の獲得されるなど、日本人トップクラスの実力になるまで急成長されています。
その選手から世界で戦うなかで得られたものについてお聞きしましたのでご紹介させていただきます。
相手を知ったら気負わなくなった
その競技は日本国内より海外の方がはるかに盛り上がっており、海外の方が実力のあるアスリートも多くいる世界です。
メジャーな大会では日本人が上位にランクインすることはあまりありませんでした。
その選手は国内を中心に活躍されていましたが、世界で戦う力をつけるため、単身でヨーロッパに渡り、トレーニングの内容や環境を大きく変えて、心身ともに強くなられていました。
その選手に
「海外に拠点を移してどんなところが変わりました?」
とお聞きしたところ、
「海外の選手に気負わなくなった」
と答えが返ってきました。
どういうこと?と思って、詳しくお伺いしました。
実際に海外に拠点を移して、現地のトップアスリートと一緒に練習し、彼らの練習メニューを見たり、実力を肌で感じたりすると、こう思ったそうです。
「俺の方が全然練習してるじゃん」
今までただなんとなく「海外選手は強い」と思い込んでいましたが、その気負いがなくなり、大会でもガンガン自身の力を出して戦っていけるようになったそうです。
その結果、直近の国際的な大会では上位に入り、日本人トップで海外の選手とも渡り合える実力をつけられています。
みなさんもイメージや外からの情報だけで相手を恐れていることはないでしょうか?
未知なるものに恐れを抱くのは人間の本能です。
そして未知と対峙したときには「なんとなくの不安」も同時に感じてしまいます。
新しく何かに挑戦するときは必ず未知の期間がありますが、恐怖に立ち向かい、未知の世界へ足を踏み入れれば物事を成し遂げることができます。
私たち人は、その成長過程で未知を経験し、学習する力があります。
「相手を知る」ことで可能性を拡げることができたのです。
上へ行くために足りないものがわかった
もう一つです。
その選手は、海外の選手では当たり前の「専属コーチをつける」ことを新しく始められていました。
拠点を移した当時、海外の選手とトレーニングしていたときに、周囲の選手などから「コーチは誰?」と聞かれ、「いない」と言うと驚かれて、「コーチをつけた方がいいよ」とアドバイスされたそうです。
日本国内では、その競技で専属コーチをつける習慣はあまりありません。
しかも、海外ではプロアスリートだけではなく、一般の選手も当たり前のようにコーチをつけているそうです。
現在は有名なコーチと契約することができ、大会に向けた練習メニューなども取り組めており、大会でも結果を残せるようになったそうです。
また、専属コーチからはトレーニング方法はもちろん、大会に向けた食事の方法、競技中の補給など、世界で戦うための多くのことを学ばれていました。
自分の現在地と、上の相手との戦う方法を知るということはとても重要だということですね。
相手と自分を「知る」ということ
相手との試合を前にしてなんだか不安になることもあると思います。
有名な選手や上位ランクの選手(チーム)であればなおさらですよね。
もしかしたら、相手のことをよく知らず自身が作り出したイメージを恐れていませんか?
イメージはあくまでイメージ、そして、競技相手も同じ人間です。
むやみに恐れる必要はないのです。
相手のタイプ、能力、戦術などまずは知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
実は自分とあまり変わらない能力、また自身の方が勝って(まさって)いるかもしれませんね。
相手の方が能力が高いとしたら、どんな準備をすれば勝てるでしょうか。
またどんな練習をすれば、強くなれるでしょうか。
相手はむやみに恐れず、相手を知り、自身に足りない点があれば強化するメンタルを持てれば、試合に臨む気持ちや姿勢も違ったものになるはずです。
きっと、思い込みはなくなり、すっきりした気持ちで、全力で取り組めるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。