「本気で上を目指す人」と「無理だと思う人」の違い

こんにちは。スポーツメンタルコーチの江口康博です。

先日、競技の指導者の方とお話する機会がありました。
そこで、アスリート、何かを目指す人にとって、とっても重要なことを聞きましたのでご紹介します。

その方は、もともと選手としてトップカテゴリーで戦ってきた経歴で、現在もチームで若手選手を指導しておられます。
また、お子さんもプロアスリートに育てられてきています。

お話するなかで、とても衝撃を受けた言葉です。

「自身が本気で上を目指そうと思えるかどうか。上の選手は自分とは違う、と思ったら、それ以上の成長はないよ」

また、こんな言葉も仰っていました。
「本気で上に行くための練習をしたか?努力もしていないのにあきらめる人が多い」

本気で世界を目指す選手を指導をされてきた方だからこそ出てくる深い言葉だと私は思いました。

この言葉を聞いてドキッとした方はいないでしょうか?

正直、私は気を引き締められる思いがしました。
一流のスポーツメンタルコーチを目指す自分にも深く刺さる言葉でした。

できない言い訳は簡単に言えるが、できない理由にはならない

アスリートであれば競技において様々な目標を持つと思います。

レギュラーになる、強豪校に勝つ、大会で優勝する、プロにる、世界で活躍する選手になる。など。

では、これらの目標を本気で目指していますか?

もしかしたら、

「先輩は運動神経がいいからレギュラーなんだ」
「強豪校に行く人ような人は上手いから勝てない」
「プロに行く人は自分とは練習環境が違う」
「世界で戦う人は憧れの存在で肩は並べられない」

と自分自身で、出来ない言い訳、あきらめる言い訳をつくっていませんか?

言い訳をつくった瞬間から目標への道は閉ざされてしまいます。

では、その言い訳(理由)は本当に正しいのでしょうか?

私は43歳という年齢からトレイルランニングはこれ以上強くなるのは無理と思い、上位入賞は目指さず、楽しく走れば良いと考えていました。
しかし、トレイルランの大会で40歳代や50歳代のトップアスリートにもいます。
アマチュアでも表彰台に立つ人もたくさんいます。

そうすると私が年齢を言い訳にすることができなくなりますよね。

他の言い訳(理由)にも同じことが言えるのではないでしょうか。

目指す山で今の行動が違ってくる

人は普通に目標を立てると、人は自分がイメージできる世界を生きがちです。
現状の延長線上、または、ちょっと頑張れば手が届く範囲の目標を設定してしまいます。

目標を立てるときは、目指すところがぶっ飛んでいて、あなたがワクワクする目標にしてみませんか?

「今の自分にそれは無理じゃない?」など思ったららそこで終わりです。

あなたの周りを取り巻く環境や条件、能力など言い訳は考えずに、自分がワクワクする高い目標に設定して、進んでみてはいかがでしょうか。

人は登ろうとする山が変われば、その瞬間から今の自分が変わってきます。

低い山に登ろうとすると、それだけの練習や準備しかしないです。

高い山に登るためには、それ相応のレベルの考えや行動が必要になり、目標を意識した瞬間から自身が変わります。

高い目標に怖気づくかもしれませんが大丈夫です。

そのために中間目標の設定や、具体的な行動計画を立てて、一歩ずつ進めていけばOKです。
毎日の小さな一歩が、少しずつでも確実に目標に近づいていきます。

高い目標を持って進めれば、到達できるかどうかはわかりません。
ただ、目指さない限りは何も変わりませんし、成長速度も変わるでしょう。

自信について

とはいえ、自信が持てない方もいると思います。

そんな方には「自己効力感」のお話をしています。

「自己効力感」とは、ざっくり言いますと、自分の内側から自然に湧き上がってくる「なんかできそう」「うまくいきそう」といった感覚です。これが「自信」と私は考えています。

この「自己効力感」が、人が行動するか否かを決定するための重要な要因の一つです。
人が行動や成果を求められる状況下において、自分自身に遂行する能力、成果を出す能力があると認識できるかどうかを表します。
すなわち「自分は達成できる」「自分には能力がある」という確信があれば、「自己効力感が高い」状態にあります。

逆に「自分には無理だ」「自分には能力がない」と考えていれば「自己効力感が低い」状態であると言えます。

その他の方法で、無理に自分で自分に「僕ならできる」「絶対にうまくいく」といった言葉をかけて思いを強めていく人もいます。
これは本来の自分(現在地)に目を向けず、自分の上に理想の自分を塗り固めていくようにするため、そのうちあるとき心がポキっと折れやすい状態になってしまうことが多いと思っています。


■自己効力感を高めるには

では、「自己効力感」を高めるためにはどうすれば良いのか。
主に下記の5つの方法があります。

①達成経験
自分自身で目標を達成した経験をすることです。
過去に経験したことで、次もできると思えます。

こう言うと、大会優勝、新記録など、すごく大きな達成経験がいるのかな、と思う方もいると思いますが、小さな成功体験で全然構いません。過去に、自分が少しでもできたことを羅列して書いてみましょう!

小さなこと、細かいことでも時間を取って思い返してみると、意外と「色々あった!」となります。


②代理経験

他人ができたこと、やっていることを見る、聞く、動画で見るなど観察した経験です。

人は誰かができると、自分もできると思うようになります。

・フィギュアスケートで難易度が高い技に成功した選手が出ると他の選手も続々と成功する。
・サッカーで海外で活躍する選手が出たあとに続々と海外移籍する選手が出る、など。

YouTubeで選手のプレーを見たりするのもいいですね。


③言語的説得
自分にそのスキル、能力があることを言語的に説明や説得されることです。

信頼する監督やコーチに「あなたならこれができる」と言われると、「そうか、できるのか!」と自信が付いたことがあると思います。 


④生物的情緒的高揚
体調やパフォーマンスの状態などモチベーションをアップさせることです。
試合前のルーティンやアップなどです。

⑤想像的体験
ずばり「イメトレ」です。
自分が達成することを具体的にイメージする体験です。

※イメトレについて詳細はコラムをお読みください。
同じ練習でも成長に差が付く「イメトレ」とは?

まとめ

本気で目指そうとすると、現在の自分自身が変わることはわかっていただけたと思います。

冒頭でお話したその指導者の方はこうも仰っていました。
「もし強くなりたければうちのチームの練習においで。みんな強くなってるよ」

目標を持って自身が取り組んでいくことも重要ですが、一緒に目指せる仲間や環境を使っても良いのではないでしょうか。

どんな練習をすれば良いかわからない、など未知の領域で不安になることもあると思います。

そんなときは周囲の方に聞いたり、頼ったり、お願いしたりしながら進めば良いのです。

あなたが本気と知れば、頼られた方も嬉しくなって動いてくれます。

そうやって様々な縁ができて、あなたの目標達成を手助けしてくれることもあります。

もしあなたが何か目標があるなら、一回本気で目指しててみませんか?


最後までお読みいただきありがとうございました。