試合に負けたときに自分と向き合える3つのステップ

こんにちは。スポーツメンタルコーチの江口康博です。

競技の世界では試合や大会に向けてどんなに努力して練習や準備を進めてきても、「勝負」という行為は必ず相手がいることであり、そのときの相手の調子や、また運によっても勝敗が決まってしまいます。

時には負けることもあるでしょう。
落ち込むこともあると思います。

あなたが負けてしまったときは、自分自身をどんな風に向き合っていますか?

今回はその向き合い方と次につながる3つご紹介させていただきます。

負けたことを受け入れて、自分の感情と向き合う

まずは「負けた」という事実は受け入れます。
これまでの努力を考えるとすぐに受け入れられるものではないかもしれませんが、それでいいのです。

悔しいときは、控え室や人目につかないところで思いっきり泣いても良いのです。
こみ上げる感情はすべて出してしまって、自分から出た感情を受け入れましょう。

恥ずかしいことではありません。
それはあなたが競技に真剣に取り組んだ証だからです。

そして、その感情を出した後が重要です。
少し落ち着いたら「なぜ自分からその感情が出たのだろう?」と考えてみてください。

「悔しい」「自分の準備できなかったことに悔しい」「試合中に注意力を欠いたことが悔しい」「相手が強すぎて悔しい」など、色々あると思います。
その一つひとつの感情を自分なりに紐解いていきましょう。

そうすると、今回の試合に向けて、自分が何を目指してきたのか、何も重きを置いていたのか、がわかってくると思います。
心の整理をするわけです。

次のステップに進むためにも、まずは「自分の感情と向き合う」ことはとても大切です。

「できたこと」「成長したこと」に目を向ける

感情と向き合った後は、試合のなかで「できたこと」を思い出して、書き出してみてください。

人は試合に負けたり、失敗すると、よく「ダメだったこと」を考えがちですが、とりあえずそこは考えません。
「できたこと」に集中していきましょう。

たくさんあると思います。

・練習して準備してきた技が試合でも成功した
・トレーニングで鍛えたフットワークが使えた
・相手を分析して、組み立てた戦術がハマることがあった
等々。

次に、「成長したこと」を書き出してください。
試合に向けた準備や、試合中に成長できた点などが挙げられると思います。

・前回の大会ではできなかったプレーができた
・スタミナを付ける練習をしていたからゲームの最後まで動くことができた
・落ち着いて相手の動きを見れるようになった。
等々。

いかがでしょうか?
しっかり時間を取って振り返ると、たくさんの「できたこと」「成長したこと」があったのではないでしょうか。

それは、あなたが試合に向けて練習に一生懸命に取り組んだ”結果”です。

勝敗だけではなく、是非それらのことを大切にしてください。

最後は「次はどうするか?」だけを考える

最後は、試合で見つかった課題や改善点に対して、そのまま「できなかったこと」としてではなく、「次からどうするか」を考えて書き出してください。

よく「良かったこと」「できなかったこと(課題)」を書き出して反省する人がいます。

もちろん「良かったこと」は書いていきましょう!

そして、「できなかったこと」は一切書かず、「次に向けてどうするか」だけを書いていきましょう!

そうすると反省ではなく、「改善するためにどうすれば良いか?」の思考になり、改善、バージョンアップに脳や行動のパワーを注ぐことができます!

長嶋茂雄さん(野球選手・監督)も試合で打てなかったときもあります。
そんな試合の後の振り返りについて、こんなことを話しておられました。

「ぼくだって打てないときは、なぜ打てなかったのか、帰りのクルマのなかで頭が痛くなるほど考えた。その日の相手のピッチャーの球筋、自分の打ち方、すべてを組み立てて結論を出した後、それじゃあ、ここだけは気をつけていこう、というところだけを残して、あとはキレイサッパリ忘れることにしていた。いやなことはどんどんアタマの記憶細胞から追い払ってしまうのである。くよくよ思い悩んだところでマイナスになるだけで、なんにもならない」


結果について悩んだり、後悔しても何も生み出しません。

大切なことは、「次に向けてどうすれば良いか?」「自分が成長するために何をするか?」だと思います。

自身の成長に目を向けられれば、自然と結果もついてきます。


最後までお読みいただきありがとうございました。