
こんにちは。スポーツメンタルコーチの江口康博です。
競技をするなかで、観客がいる方が実力が発揮できる方、観客がいない方が良い方など色々な方がいると思います。
実は人は誰かに見られたり、応援されるとパフォーマンスが上がるという説があることを知っていました?
今回のコラムは、特に観客がいると緊張したり、実力が発揮できないと思っている方に読んでいただきたいですね。
ピグマリオン効果でパフォーマンスアップ!?
「ピグマリオン効果」とは、周囲から期待や関心を持たれることでパフォーマンスが上昇することを言います。
教育心理学では賛否ある効果ですが、私はとてもおもしろいと思っています。
みなさんもコーチから「君ならできる」、応援する人から「頑張ってください!」など言われると普通に嬉しくないですか?
喜びやワクワク感は、ドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質を分泌させるので、注意力・集中力・創造力・反応速度の向上につながることがあります。
これと同じように、観客がなど見ている人がいる、応援してくれる人がいる、声援がピグマリオン効果を引き出し、選手のパフォーマンスを上げるのではないかと考えています。
観客がいても大丈夫な考え方
観客の前に立つと、身体がこわばったり、思うように動けないことは、脳が正常に動いている証拠で「弱さ」ではありません。
それをどう捉えていけるかが大切です。
例えば、こんな風に考えてみてはいかがでしょうか。
①観客に「見られている」のではなく「応援されている」
よく「見られているのにミスしたら」「観客は相手を応援しているのではないか」と緊張する方がいますが、みなさん観客がどういう気持ちで観戦しているのか、一人ひとりの心の中がわかりますか?
もちろん、わからないですよね。笑
では、「観客がみんな自分を応援している」と思えたらいかがでしょうか。
自分の考え方ひとつで観客をプラスの力に変えることができます。
②いつも通りのルーティン
普段の練習と同じ動き、パフォーマンスを発揮するのにルーティンはとても大切です。
いつもの手順、深呼吸、自分に言葉をかけるなどすると、自律神経が整います。
さまざまな競技において、プロの選手もやっています。
③観客は背景だと思う
観客を人として意識すると、気になってしまうかもしれません。
視界には入ったり、声援はどうしても聞こえますので背景だと思いましょう!もちろん
④ミスしてもいい
失敗しても終わりではありません。
逆にミスを恐れると、身体がこわばってミスをしてしまいます。
普段の練習通りにやってみる意識を持つなど、リラックスした自分の作り方も重要です。
⑤準備は最大の自信
「自分はやれることはすべてやった」という準備が自信につながり、観客がいてもブレない軸になります。
準備にはしっかりと力を入れましょう。
誰かに見られながらプレーすることは大事
上記の考え方を持っていただいた上で、ご紹介したい言葉があります。
イチローさんが女子高校生の野球チームと対戦した後、座談会で言った言葉です。
「(誰かに)見られながらプレーすることは大事。自分達だけで毎日厳しい練習をすることは大事なんだけど、人に見られながら上手くなることも多いからね。もっともっとそういう機会が増えて欲しい」
イチローさんが女子高生チームと対戦する際に球場を9,000人という大観衆にしたのは、観客の前でプレーすることを体感して欲しいという狙いがあったそうです。
「自分で能力を高めたい」、という成長意欲だけではなく、「見に来てくれた観客を、自分のプレーで楽しませたい」という思いが、パフォーマンスを上げるために、さらに一つのモチベーションを追加することになると私は考えています。
プロの選手だからそう考えている、と思う方もいるでしょう。
私はアマチュアの試合を観るのがとても好きです。
もちろんプロと比べると、レベルが低かったり、ミスがあることは当たり前ですが、そんなことよりも一生懸命にプレーすることが人の心を動かして、楽しんで応援してしまうのです。
こんな私のような観客が他にもたくさんいると思えたらいかがでしょうか?
観客の前でプレーすることも悪くないと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。