「Must(しなければならない)」と考えてしまう方は、「Want」(したい)思考に変えてみよう!

こんにちは。スポーツメンタルコーチの江口康博です。

あなたは競技やトレーニングに取り組むときに、どのように思っていますか?

「今日はこの走り込みしなければいけないな」
「コーチに言われていたかた筋トレしないといけないな」
「試合では絶対に勝たないといけない」

このように自分に課せられた義務のように捉えていて、実は自分を苦しめているアスリートが多くいます。

これは、Must(しなければならない)という口癖が原因なんです。
だた、これをWant(したい)に言い換えて、また心の中で思うだけで、メンタルに大きな変化があります。

「~しなければならない」と日頃から思っている、言っている方は、是非読んでみてください。

Must(しなければならない)と思うことのデメリット

「しなければならない」思考を持っていると、こんなデメリットがあります。

①不安や恐怖が生まれてしまう
まず、「しなければならない」という言葉を使っている方は、自分が何かに支配されている状況になっていると思います。
「不安」や「恐怖」のようなものを抱えていて、その気持ちから逃れるために行動することになっています。

例えば、こんな感じです。

「監督・コーチから言われて(やらないと怒られるから)筋トレしないといけない」
「周りの選手がやっているから(差をつけられるのが怖いから)私もやらないといけない」
「試合では(負けるのが怖いから)ミスをしてはいけない」

こうなると、何かに対しての不安や恐怖を消すために動くことに力を使ってしまい、それ以上のプラスαを生み出す力はなくなっていってしまいます。

おそらく「やらなければならないこと」以上にのことに取り組めず、または下回る効果しか生み出せないこともあります。
ましてや新しいこと、建設的なことはやらないでしょう。

捉え方、言い方ひとつで同じことでも効果が薄れてしまいます。


②考えることを放棄してしまう
人は「しなければならない」と思った時点で、考えることをやめてしまいます。

みなさんの日常でも「やらないといけない」と義務的に決まっていることについては、あまり考えないで行動していると思います。

例えば、ごみ捨ての日、公共料金の支払い、学生ですと嫌々やるレポートや課題・宿題などです。
義務的にやることって、早く済ませたい一心でとりあえず作業的に実行していくので、効果や効率などはあまり考えないことが多くないでしょうか?
そもそもやっていても楽しくないですよね。

ただ、目標に向かって取り組むアスリートのみなさんとって、日々の練習やトレーニングは作業ではなく、自ら考えて、工夫することで効果を高めていくことがとても重要です。


③完璧主義、思い込みが自分を苦しめてしまう
「~しなければならない」と考えている方は、「何もかも自分が完璧にやらないといけない」「~するべきだ」と、自分自身でガチガチに固めた枠組みをつくってしまい、それはときに成長の原動力になることもありますが、多くは自分を苦しめる結果になっています。

アスリートのなかでも、この「完璧主義」や「べき思考」を強く持っている方は、ある程度まで成長していくこともできますが、その後、伸び悩んで苦しんでいることが多いです。

この心理状態の方は、根本的に否定形で考えがちです。
まず「~するとダメ」という思考から、「~しなければならない(すべき)」という流れで考えていて、マイナスから入っています。

Want(したい)は望むものに向かっていく

上記のMust(しなければならない)デメリットをお伝えすると暗い気持ちになってしまいますが、たった一つの方法で変えることができます。

それは、日常のすべてのことを、
「~したい」(Want)に言い換えて話す(思う)こと」
これだけです。

言葉の言い換えだけですが、「したい」という言葉を使うと、自然と自分が望んでいる「なりたい姿」や「イメージ」を思い描き、そこに向かって、考えて行動していくことになります。

トレーニング一つでも、やりたいことをやっている意識になり、建設的に考えられるようになるので、日々の練習でも考えながら取り組み、自然とより高い効果や成果を目指して、工夫や改善が生まれていきます。

何より、肯定的に自分がやりたいことをやっているので楽しんで取り組めるようになるかと思います。

まとめ

「Must(しなければならない)」を「Want(したい)」に言い換えてみる、いかがでしょうか。

言葉の言い換えだけですが、メンタルの世界ではとても効果があると言われています。

なぜなら「人の思考や行動は言葉でできている」からです。

言葉は単にコミュニケーションの手段だけではなく、言葉が物事の概念をつくり、思考を形成し、行動を変えていきます。

このように日常で使う言葉の選ぶことで、良いメンタルを持つことができます。
著名なアスリートでも、取材やインタビューでの言葉を大切に、そして慎重に使っている方が多くいます。

言葉は、他人から言われる影響もありますが、自分自身が言う(思う)ことも、無意識に自身のメンタルに働きかけて、良くも悪くも作用します。
今回のWantに限らず、日頃から意識して、自分にとって良い言葉を選んで使ってみるのはいかがでしょうか。


今回のコラムでは「~しなければならない」と苦しんでいる、うまくいかないと思っているアスリートに、ぜひWant(「したい」)の意識で取り組んでいただきたいと思って書きました。

最後までお読みいただきありがとうございました。