
こんばんは。スポーツメンタルコーチの江口康博です。
今年(2025年)の夏は本当に暑い日が続きますね。
兵庫県丹波市では日本歴代最高気温の41.2℃を記録しました。
アスリートのみなさん、熱中症にはくれぐれもお気を付けください。
夏といえば、よく合宿や、追い込みで短期的にパフォーマンスを向上させる練習がありますね。
これから合宿という方もいるのではないでしょうか。
もちろん短期的なトレーニングも効果がありますが、
人の成長には毎日コツコツ継続することがとても重要だと考えています。
今回のコラムでは、人の成長に大きく関係する「習慣化」(継続すること)についてご紹介します。
毎日コツコツ継続して練習することが苦手な方は是非読んでください!
着実に成長につながる習慣化のチカラとは
「三日坊主で終わってしまう」
「今日は疲れたからできない」
「なんだかやる気が起きない」
何か新しいことに挑戦するとき、目標を立てて取り組んでいくとき、こんなことを思ったことはありますか?
多くの人が目指すものに向かって行動していきますが、モチベーションの維持、時間の確保など壁にぶつかり、いつの間にか努力をやめてしまったり、忘れてしまったりすることがあります。
よくあるのが、何かを始めるときに「よし!やるぞ!」といったモチベーションで臨む方もいますが、モチベーションは感情ですので長続きしません。
感情に頼って行動しようとすると、当然ですが、数日後にはその感情が薄れ、やる気がないとその日はできない、ということになってしまいがちです。
そして、やろうと思ったことができてないと、「できない自分自身がダメだ」と思ってしまい、自己嫌悪に陥ってしまう悪循環にもなりかねません。
でも、実はその人が悪いのではなく、習慣化できる「仕組み」をつくることがとても大切なんです。
まず習慣化がもたらすチカラにはこんなメリットがあります。
①継続することが当たり前になる
やるべきことを意志の力でやっていこうとすると、どうしても毎回「これをやるぞ!」「継続するぞ」とパワーを使ってしまいます。
やりたくないことや面倒なことも習慣化してしまえば、行動を起こすときの意志を必要としなくなり、当たり前に毎日繰り返し行動できるようになります。
例えば、みなさんも毎朝の歯磨きや、シャワー、出かける準備のルーティンをするときに「やるぞ!」と思いながらやらないですよね?
毎日当たり前に行動ができると、一日のルーティンの練習などが苦にならなくなり、そのうちやらないと気持ち悪くなります。
②自信につながる
行動を習慣化できると自信につながります。
毎日やることができると、
「今日はこれができた!」
「今月でこれだけできた!」
など、小さな目標を達成することになり達成経験となります。
記録をつけていると特に実感できると思います。
そして、行動を「継続できている」こと自体も大きな達成感と自信になりますね。
また、日々の努力の継続によって、パフォーマンスやスキルが向上して、自身の成長も感じられるようになります。
そうすると大会や試合でも結果が出たり、手応えを感じられる方もいると思います。
そうすると、成功体験が自信を生み、さらに高い目標にチャレンジできるようになるなど好循環ができてきます。
③目標が達成できるようになる
何かしらの目標に向かって、習慣化して取り組んでいくと、自然と目標を達成できるようになります。
意志の力を必要とせず、習慣化して毎日コツコツと積み上げてきた努力は裏切りません。
そもそも目標の立て方、計画の立て方もとても重要ですが、目標に向かって必要なことを一つひとつ達成していけるので、いつの間にか目標達成に相応しい自分になっています。
(※目標の立て方については別のコラムでご紹介します)
このように習慣化には大きなチカラがあります。
実行するにはコツがありますのでそちらもご紹介していきます。
誰でもできる習慣化のコツ
習慣化するには計画(設計)が必要です。
特に継続が苦手な方には読んでいただきたいのですが、下記が主なコツになりますので、取り入れて習慣化の計画を立てていきましょう!
①リトルステップ
いきなりできないことを毎日やろうとすると挫けてしまいます。
まずは簡単に取り組めることから始めましょう!
「明日から練習後に自主練を3時間する」などの目標を入れてしまっても、達成が難しいですよね。
それよりも簡単にできることから始めましょう。
「毎日10分素振りをする」
「夜に15分本を読んでフォームの研究をする」
こんなことなら始められそうですよね?
もし継続できるなら、自分の一日のスケジュールを調整しながら時間を増やしたりいってしてください。
まずは自分が気持ちよくスタートできることにしましょう!
②毎日継続できる目標にする
リトルステップの内容と近いですが、毎日継続できるレベルの習慣にしましょう。
毎日やることがとても重要です。
例えば、「土曜日に3時間トレーニングを追加する」を実践したとすると時間的にも体力的にもかなり大変です。
でも1日30分×7日間であれば、1週間で3時間30分になり、無理せず積み重ねられますよね?
なので、自分が無理せずに「これなら毎日できそうだ」という習慣にしましょう。
毎日できると達成感が得られますし、自分ができていることで自信にもつながりますね。
(毎日できない習慣だと、できない自分を責めるかもしれませんので注意しましょう)
あと、難易度は自分が簡単にできることよりちょっと上のレベルにするのもコツです。
③毎日やる「量」ではなく、毎日やる「時間」を決める
量を決めると達成できない場合に、落ち込んでしまいます。
時間で考えていきましょう。
「素振りを100回する」ではなく、「素振りを20分間する」など時間で設定です。
そして、時間は「空いた時間にやる」ではなく、必ず時間帯も決めましょう。
起きる時間、食事の時間、寝る時間のように時刻で決まるのです。
例えば、
「帰宅してから夕食までの19:00~19:30の間にやる」とか、
「朝5時に起きて、朝食後の6:00~6:30までやる」などです。
そうすると始める時間、終わる時間も決まっているので、毎日の予定として開始し、時間内は集中して取り組めます。
また、時間で動ければ「できた」ということになります。
④記録すること
日々の習慣を記録しておくと、見返したときに達成感や自信を得ることができます。
また、習慣で努力したこと結果と、成長の関係性などもよくわかるかもしれませんね。
ノートでもいいですし、アプリなどで記録を付けてもOKです。
⑤自分ができたら、自分で自分を褒めてあげること
日々の習慣ができていれば「よくできた!」と自分を褒めてあげてください。
小さくてもできたことはちゃんと達成感を味わってくださいね。
まとめ
習慣化のチカラはいかがでしょうか。
この習慣化の話はよくビジネスや学習面では言われることですが、スポーツでは短期合宿や追い込みトレーニングなどの考えが多いかもしれません。
もちろんスポーツでも、毎日継続できれば必ずチカラになります。
先日、初めてアメリカ野球殿堂入りを果たしたイチローさんは習慣化、小さな目標を立てることの天才です。
彼のルーティンも上記の習慣化のコツをフルに活用して、あのレベルまで行かれました。
「ルーティンをやらないと気持ち悪い」となるまで毎日の習慣を続けられていました。
殿堂入りのスピーチでも「小さなことを積み重ねれば可能性は無限」とありましたね。
人は、誰でも目標に向かって進めることが可能です。
この習慣化は一日の成長は小さくとも、目指す目標に、小さくても、だが確実に近づく手段です。
ぜひ短期的ではなく、長期的に考えて習慣化のチカラを活動してください!
今回のコラムは、継続することが苦手な方に読んでいただき、「明日からやってみようかな」と思える機会になったり、どんな習慣にするかか考える際に少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。